はじめにお読みください
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。脊柱管狭窄症は医師による診断が必要な疾患であり、当院が診断を行うことはありません。強い痛みやしびれ、脚に力が入らない、排尿や排便に異常があるといった症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。効果や感じ方には個人差があります。
公開日:2026年8月22日 | 執筆:石川 翔(柔道整復師・はり師・きゅう師/和歌の浦 翔鍼灸接骨院 院長)
こんにちは。和歌山市和歌浦の「和歌の浦 翔鍼灸接骨院」院長の石川です。
「病院で脊柱管狭窄症と言われた。接骨院で何かしてもらえますか」
こうしたご相談を、よくいただきます。この記事では、当院にできることと、できないことを、包み隠さずお伝えします。
そのうえで、施術のあとに何が必要になるのかまでご説明します。
この記事の結論
✔ 接骨院の施術で、狭くなった脊柱管そのものを広げることはできません
✔ ですが、周囲の筋緊張や骨盤の傾きを変えて、負担を減らすことはできます
✔ 鍼灸は、医師の同意書があれば健康保険の対象となる場合があります(条件があります)
✔ 痛みが落ち着いたら、次は支える力をつける段階です
目次
1. まず、正直にお伝えします
接骨院の施術で、狭くなった脊柱管そのものを広げることはできません。
ここを曖昧にしたまま通っていただくことは、したくありません。
図1|診断も、画像検査も、脊柱管を広げることもできません。ですが、できることはあります。
脊柱管が狭くなっているのは、骨や靭帯の変化によるものです。手技でこれを元に戻すことはできません。
診断もできません。レントゲンやMRIを撮ることもできません。
では、何ができるのか。神経にかかっている負担を、周囲の条件を変えることで減らすことです。
この違いを、たとえるなら
狭い通路に荷物が積まれて、通りにくくなっている状態を想像してください。
通路の壁を壊して広げることはできません。ですが、積まれた荷物を片付けて、通れる幅を確保することはできます。
私たちがしているのは、後者です。
2. なぜ前かがみだと楽なのか
この仕組みが分かると、施術で何を狙っているかも分かります。
図2|背骨を丸めると、神経が通るすきまが広がります。前かがみで楽になるのは、このためです。
背骨は、反らせると脊柱管が狭くなり、丸めると広がります。
狭窄がある背骨では、この変化がとくに大きくなります。画像研究では、伸展させたときの断面積の減少が、正常な背骨では約9%にとどまるのに対し、狭窄がある背骨では約67%に達すると報告されています。
カートを押すと歩きやすい、自転車なら長く乗れる。いずれも前かがみになれるからです。
つまり「丸めやすい体」をつくれば、日常の負担が減るということです。施術の狙いは、ここにあります。
3. 施術で狙っている3つのこと
骨は変えられません。ですが、その周りは変えられます。
図3|脊柱管は広げられません。ですが、そこにかかる負担は減らせます。
① 股関節まわりをゆるめる
ここは前と裏で働きが逆になるため、少し丁寧にご説明します。
図4|前が硬いと骨盤は前に倒れ、裏が硬いと後ろに倒れます。向きが逆です。
股関節の前側(腸腰筋・大腿直筋など)が硬いと、骨盤が前に引っぱられ、腰が反りやすくなります。狭窄症の方にとっては避けたい状態です。
一方、もも裏(ハムストリングス)が硬いと、骨盤は逆に後ろへ引かれます。腰はむしろ丸まる方向に動きます。
では、なぜもも裏もゆるめるのか。狭窄症の方は、痛みを避けるために「腰を丸め、ひざを少し曲げた姿勢」を無意識に取り続けていることが多いためです。
その結果として、もも裏が固まります。原因ではなく、結果として硬くなっているのです。
固まったままだと、股関節の動く範囲が狭くなり、歩幅も出にくくなります。前をゆるめて反りを減らし、裏をゆるめて動きを取り戻す。目的が違うということです。
② 腰まわりの緊張を落とす
反った姿勢が続くと、背中側の筋肉は一日中引っぱられ続けます。休む時間がありません。
この緊張が取れると、動かせる範囲が広がり、丸める姿勢も取りやすくなります。
③ 血流を促す
神経の症状は、圧迫だけでなく血流の低下によっても起こると考えられています。歩いていると症状が出て、休むと戻るという経過には、この要素が関わっている可能性があります。
鍼灸や超音波療法で、周囲の血流を促すことを狙います。
4. 当院で行っていること
評価から始めます。いきなり施術には入りません。
① 状態の確認
どの動きで症状が出るか、どの姿勢で楽になるか。歩ける距離、しびれの範囲、力の入り方。これらを確認します。
ここで反らせるとつらいタイプなのか、前かがみでつらいタイプなのかを見極めます。同じ「腰が痛い」でも、対応が真逆になるためです。
② 手技による施術
股関節まわり、もも裏、お尻、腰背部。神経を直接どうこうするのではなく、周囲の緊張をゆるめて負担を減らすことを目的とします。
③ 鍼灸
手技では届きにくい深い層に対して、鍼を用いることがあります。狙った深さに直接届けられるのが、鍼の利点です。
④ 物理療法
超音波治療器(伊藤超短波 EU-910)を用い、深部の血流や組織へのアプローチを行います。
⑤ 姿勢と動き方の指導
ここが実は、いちばん大切かもしれません。施術で楽になっても、日常の動き方が変わらなければ戻ります。
骨盤の傾け方、立ち方、休み方。ご自宅でできることをお伝えします。
※症状の経過や感じ方には個人差があります。すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。
5. 鍼灸と健康保険について
条件がありますが、対象となる場合があります。
図5|条件があります。誤解のないよう、正確にお伝えします。
はり・きゅうの施術は、一定の条件を満たす場合に療養費として健康保険の対象となることがあります。
対象となる条件
■ 慢性的な痛みを主とする疾患であること|神経痛、腰痛症などが対象です
■ 医師が「適当な治療手段がない」と判断すること|医師の判断が前提です
■ 医師から同意書の交付を受けること|施術を受ける前に必要です
■ 同意書の有効期間は6か月|継続する場合は、医師の再診察と再交付が必要です
とくにご注意いただきたい点
■ 同じ病気で医療機関の治療を受けている期間は、対象外です|通院や投薬(湿布・痛み止めを含む)を受けている場合が該当します
■ 同じ病気で、柔道整復(接骨院の保険施術)との併用もできません
■ 患者様ご自身が「鍼灸を受けたいから」と同意書を求める形は、対象外とされています
■ 最終的な支給の判断は、保険者が行います
当院から医師に同意書を求めることはできません。まずは医療機関を受診し、医師とご相談ください。
保険の対象とならない場合は、自費での施術となります。金額は初回に必ずご説明しますので、分からないまま受けていただくことはありません。
6. ご自宅で気をつけていただきたいこと
施術と同じくらい、日常の過ごし方が効きます。
✔ 歩くときは、少し前かがみを意識する|カートや杖があると楽になります
✔ つらくなったら、座る・前かがみで休む|我慢して歩き続けないでください
✔ 長時間の立ちっぱなしを避ける|片足を台に乗せると、腰の反りが減ります
✔ うつ伏せで反らせる体操はしない|良かれと思ってやっている方が多い動きです
✔ 寝るときは、ひざの下にクッションを|仰向けで腰が反りにくくなります
✔ 硬いソファに深く沈み込まない|立ち上がるときに腰へ負担がかかります
どれも小さなことですが、1日の中で何十回と繰り返される動きです。積み重ねが大きく変わります。
7. 施術のあとに、トレーニングがあります
痛みを取ることと、繰り返さない体をつくることは、別の作業です。
図6|施術は「マイナスをゼロに戻す」。トレーニングは「ゼロからプラスにする」。役割が違います。
施術で緊張が取れ、動かせる範囲が広がる。ここまでが接骨院の仕事です。
ですが、腰が反らない姿勢を、自分の力で保てるようにならなければ、また戻ります。
そのために必要なのが、体幹と股関節まわりの筋力です。
これは、診療ガイドラインにも書かれています
日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会の『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021』では、運動療法は保存療法の第一選択として実施するとされています。
さらに、専門家の指導のもとで行う運動療法は、自己流のトレーニングよりも有効とも明記されています。
推奨されている運動の種類も、腰椎の屈曲運動、股関節まわりのストレッチと骨盤の後傾運動、体幹の安定化エクササイズなど、具体的に挙げられています。
当院は、パーソナルジムTitanium Fitness Gymを併設しています。同じ建物の中です。
痛みが強い時期は施術を、落ち着いたらトレーニングを。状態に応じて、その場で切り替えられます。外へ探しに行っていただく必要はありません。
そして担当するのは、同じ国家資格者です。施術で見た体の情報を、そのままトレーニングの設計に使えます。
併設|Titanium Fitness Gym
脊柱管狭窄症でやってはいけない運動と、正しい筋トレ
どの種目を避けるべきか、代わりに何をすればよいのかを、図解で詳しく解説しています。ご自身で運動を始める前に、一度お読みください。
8. よくあるご質問
Q. 接骨院に通えば、狭窄は治りますか?
A. 狭くなった脊柱管そのものが広がることはありません。当院が行うのは、周囲の緊張をゆるめ、骨盤や姿勢を整えて、神経にかかる負担を減らすことです。この違いは、はっきりお伝えしています。
Q. 病院に通いながら、接骨院にも行けますか?
A. 施術を受けること自体は可能です。ただし保険の取り扱いには制限があり、同じ病気で医療機関の治療を受けている期間は、鍼灸の療養費の対象外となります。詳しくは初回にご説明します。
Q. 鍼は痛くないですか?
A. 使用するのは髪の毛ほどの細さの鍼です。チクッとする感覚がある方もいますが、多くの方は「思ったより痛くない」とおっしゃいます。すべて使い捨ての滅菌済みのものを使用しています。
Q. 何回くらい通えばいいですか?
A. 症状と経過によって変わるため、一律にはお答えできません。初回に状態を確認したうえで、おおよその見通しをお伝えします。変化が見られない場合は、方針を変えるか、医療機関の受診をおすすめします。
Q. まだ病院に行っていません。
A. まず整形外科の受診をおすすめします。脚のしびれには、脊柱管狭窄症以外の原因もあります。血管の問題で似た症状が出ることもあり、これは画像や検査でなければ区別できません。
Q. 自分でストレッチをしていますが、続けていいですか?
A. 方向によります。腰を反らせるストレッチは避けてください。股関節まわりやもも裏を伸ばすものであれば、続けていただいて構いません。一度、動きを確認させていただくと確実です。
Q. 高齢ですが、トレーニングまでできますか?
A. できます。併設のジムには70代・80代の方も通われています。重い重量は使いません。まずは施術で状態を整えるところから始めましょう。
9. 和歌山市で脊柱管狭窄症の施術をお探しなら
和歌の浦 翔鍼灸接骨院は、和歌山市和歌浦南にある鍼灸接骨院です。柔道整復師・はり師・きゅう師の国家資格をもつ院長が、評価から施術、その後の運動指導まで一貫して担当します。
✔ 鍼灸・手技・超音波療法を、状態に応じて使い分けます
✔ 併設のパーソナルジムと連携。痛みが落ち着いたら、そのままトレーニングへ
✔ 医療機関との役割分担を明確に。受診が必要と判断した場合は、その旨をお伝えします
✔ 駐車場完備。お車でお越しいただけます
対応エリア
和歌山市(和歌浦・新和歌浦・雑賀崎・紀三井寺・宮前・秋葉町・和歌山市駅周辺など)を中心に、海南市・岩出市・紀の川市・有田市方面からもご相談いただいています。
10. まとめ
✔ 接骨院の施術で、脊柱管そのものを広げることはできません
✔ ですが周囲の緊張と骨盤の傾きを変えて、負担を減らすことはできます
✔ 前かがみで楽になるのは、通り道が広がるから。丸めやすい体をつくります
✔ 鍼灸は、医師の同意書があれば健康保険の対象となる場合があります
✔ 痛みが落ち着いたら、次は支える力をつける段階。ここでジムにつながります
「もう歳だから」「一生付き合うしかない」と諦める前に、一度ご相談ください。
できること・できないことを、正直にお伝えします。
11. 参考文献
- 日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会 監修『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021(改訂第2版)』南江堂, 2021.
- Comer C, Williamson E, McIlroy S, et al. Exercise treatments for lumbar spinal stenosis: a systematic review and intervention component analysis of randomised controlled trials. Clin Rehabil. 2024;38(2):151-166.
- Macedo LG, Hum A, Kuleba L, et al. Physical therapy interventions for degenerative lumbar spinal stenosis: a systematic review. Phys Ther. 2013;93(12):1646-1660.
- 厚生労働省「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」
この記事を書いた人|石川 翔(いしかわ しょう)
和歌の浦 翔鍼灸接骨院 院長/Titanium Fitness Gym 代表。柔道整復師・はり師・きゅう師(いずれも国家資格)。3年制の養成校を2つ修了し、いずれも首席。お子さまから90代の方まで、長年にわたり体の施術に携わっています。
できること・できないことを、正直にお伝えします
「これは接骨院で診てもらえるのか」という段階でも構いません。
受診が必要な場合は、その旨をはっきりお伝えします。
電話で予約する 090-6843-5170
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院名
和歌の浦 翔鍼灸接骨院
所在地
〒641-0022 和歌山県和歌山市和歌浦南3-9-1 FSビル1F
電話
090-6843-5170
併設
Titanium Fitness Gym
その他
駐車場完備
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を目的とするものではありません。脊柱管狭窄症は医師による診断が必要な疾患です。効果や感じ方には個人差があります。症状がある場合は、必ず医療機関にご相談ください。