公開日:2026年9月9日|執筆・監修:石川 翔(柔道整復師・はり師・きゅう師/和歌の浦翔鍼灸接骨院 院長)
こんにちは。和歌山市和歌浦の和歌の浦翔鍼灸接骨院です。
足首をひねった直後は、「これは病院に行くべきか、様子を見ていいのか」で迷うと思います。
この記事では、骨折を見逃さないための世界共通の基準、直後の48〜72時間にすること、そしてなぜ捻挫は癖になるのかを書きます。足首の捻挫は、接骨院で健康保険が使えるケガの代表です。
【この記事の結論】
1. くるぶしの後ろや先端を押して痛い/4歩続けて歩けない——このときはレントゲンでの確認を。
2. 直後はPEACE(守る・上げる・抗炎症薬に頼りすぎない・圧迫する・知る)。完全な安静は最小限にします。
3. 冷やすのは痛みをやわらげるためで、治りを早めるためではありません。
4. 捻挫が癖になるのは、靭帯だけでなく足首のセンサーの働きが戻っていないからです。
5. 原因のはっきりした捻挫は健康保険の対象になります(1回500〜1,000円ほど)。
1. まず、骨折を見逃さない
足首の捻挫でいちばん困るのは、実は骨折していたのに気づかず、そのまま過ごしてしまうことです。これを防ぐために、世界中の医療現場で使われている基準があります。

図1|レントゲンが必要か(オタワ足関節ルール)。1つでも当てはまれば整形外科へ。
この基準は、1993年にカナダで作られたもので、骨折の見落としがほとんど無いとされています。当てはまる場合はレントゲンを撮る、当てはまらなければ撮らなくてよい、という使い方をします。
「痛いけれど歩ける」なら、骨折の可能性は下がります。逆に、ケガの直後も今も4歩続けて歩けない場合は、まず整形外科へ行ってください。
当院でもこの基準で確認し、当てはまる場合はその場でお伝えして、医療機関の受診をおすすめします。
2. 直後の48〜72時間にすること

図2|ケガをした直後の48〜72時間(PEACE)。完全な安静は最小限にします。
「安静」と「冷やす」の扱いが変わりました
以前は RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)と習った方が多いと思います。今の国際的なスポーツ医学では、完全な安静は最小限にするという考え方になっています。
じっとしすぎると筋肉が落ち、足首が硬くなり、戻るのに時間がかかります。痛みの出ない範囲で早めに動かすほうが、結果として早く戻るとされています。
冷やすことについては、痛みをやわらげる効果はありますが、治りを早めるという十分な証拠はありません。つらいときに短時間冷やすのは構いませんが、「冷やせば早く治る」ではありません。
痛み止めや湿布については、医師・薬剤師の指示に従ってください。当院が薬をやめるようお伝えすることはありません。
3. なぜ捻挫は癖になるのか
「一度ひねってから、よく捻挫するようになった」——これは非常によくあるご相談です。理由は2つあります。
① 靭帯がゆるんだまま固まってしまう
伸びた靭帯は、適切な時期に適切な負荷をかけないと、ゆるいまま治ってしまいます。ぐらつきが残ると、また同じようにひねります。
② 足首のセンサーが戻っていない
足首には、関節の傾きを感じ取るセンサー(固有受容感覚)があります。捻挫でこれが傷むと、足首が傾き始めたことに気づくのが遅れます。気づいたときには、もうひねっている——という状態です。
ここは「安静にしていれば戻る」ものではありません。片脚立ちなどのバランス練習で、意識的に鍛え直す必要があります。当院で復帰までのメニューに必ず入れているのは、このためです。
再発を本気で止めたい方へ
「またやりそうで、思い切り踏み込めない」という段階まで来たら、あとはトレーニングです。当院は同じ建物内にパーソナルジムを併設しているので、バランスから片脚での踏ん張りまで、続けて取り組めます。
4. 競技に戻るまでの目安
痛みが引いた時点では、まだ戻れません。次の順で確認します。
1. 日常生活で痛みが出ない
2. 足首の動きが、左右で同じくらいになる
3. 片脚立ちが、左右で同じくらいできる(目を閉じても崩れないか)
4. 片脚で真っすぐ跳べる・横に跳べる
5. 全力・切り返し・接触を、段階的に戻す
2と3を飛ばして戻ると、高い確率で同じところをやります。大会が近い場合は、そこに合わせた組み立てをご相談しますが、間に合わないと判断したときは、そう申し上げます。
5. 当院が行うこと・費用
足首の捻挫は、いつ・何をして痛めたかがはっきりしている急性のケガなので、健康保険の対象になります。窓口でのお支払いは、負担割合と内容によって1回500〜1,000円ほどです。
行うこと
・骨折の可能性の確認(当てはまればその場で受診をおすすめします)
・手技、電気施術、テーピングや固定
・腫れの引き方に合わせた、動かし方の指導
・バランス練習(片脚立ちなど)の段階的な導入
・競技復帰の判断のご相談
6. 正直にお伝えします
◎ 当院がお役に立てること
・足首の捻挫への施術。健康保険の対象になります
・骨折の可能性の確認と、必要な場合の受診のご案内
・テーピング・固定
・再発を防ぐためのバランス練習と、併設ジムでのトレーニング
・受付9:30〜22:00・年中無休。部活のあとでもお越しいただけます
△ 当院ではできないこと
・診断、レントゲン・MRIなどの画像検査、投薬
・骨折・脱臼の継続的な施術(応急処置を除き、医師の同意が必要です)
・大会に間に合うというお約束
・治療期間や結果のお約束(回復の経過には個人差があります)
7. よくあるご質問
Q. 歩けるので、たいしたことないですよね。
A. 歩けること自体は良い材料です。ただ、歩けても靭帯が伸びていることはあります。放っておくとゆるいまま固まり、癖になります。腫れがある、押すと痛い場所があるなら、一度見せてください。
Q. 湿布を貼って様子を見てもいいですか。
A. 数日で腫れが引いてきているなら、それでも構いません。ただ「腫れが引かない」「体重をかけられない」「1週間たっても変わらない」場合は、骨折や靭帯の断裂の可能性がありますので受診してください。
Q. テーピングはずっとしていたほうがいいですか。
A. 急性期は有効ですが、ずっと頼ると足首のセンサーが戻りません。競技中は使いながら、日常では外して自分の足で支える——という進め方をおすすめします。
Q. 子どもが捻挫しました。大人と同じでいいですか。
A. 成長期は、靭帯より先に骨の端(成長線)が傷むことがあります。骨の出っぱりを押して痛がる場合は、まず整形外科で確認してください。
Q. 保険は使えますか。
A. 使えます。原因のはっきりした急性のケガですので、柔道整復の健康保険の対象です。初回に確認してご説明します。
まとめ
・まず骨折を除外する。くるぶしを押して痛い、4歩歩けないならレントゲンを。
・直後はPEACE。完全な安静は最小限にします。
・冷やすのは痛みをやわらげるためで、治りを早めるためではありません。
・捻挫が癖になるのは、靭帯のゆるみと、足首のセンサーが戻っていないためです。
・バランス練習を入れないと、再発は止まりません。
・原因のはっきりした捻挫は健康保険が使えます(1回500〜1,000円ほど)。
参考文献
1. Stiell IG, Greenberg GH, McKnight RD, et al. Decision rules for the use of radiography in acute ankle injuries. JAMA. 1993;269(9):1127-1132.
2. Dubois B, Esculier JF. Soft-tissue injuries simply need PEACE and LOVE. British Journal of Sports Medicine. 2020;54(2):72-73.
3. Vuurberg G, Hoorntje A, Wink LM, et al. Diagnosis, treatment and prevention of ankle sprains: update of an evidence-based clinical guideline. British Journal of Sports Medicine. 2018;52(15):956.
4. 厚生労働省「柔道整復師の施術に係る療養費の支給基準」
5. 柔道整復師法 第17条(骨折・脱臼の施術における医師の同意)
執筆・監修 石川 翔(いしかわ しょう)
和歌の浦翔鍼灸接骨院 院長/Titanium Fitness Gym 代表トレーナー
・柔道整復師(国家資格)/はり師・きゅう師(国家資格)
・3年制の医療系養成校を2校修了。柔道整復師は学年首席で卒業
・バスケットボールチーム「ONELYS wakayama(ワンリーズ和歌山)」チームトレーナー(Bリーグ入りを目指すSB1リーグ所属/ジム・接骨院としてオフィシャルパートナー契約)
・プロゴルファー 濱田茉優 選手 ツアートレーナー
和歌の浦翔鍼灸接骨院
〒641-0022 和歌山県和歌山市和歌浦南3丁目9−1 FSビル 1F
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受付時間:9:30〜22:00(年中無休・完全予約制)
併設:パーソナルジム Titanium Fitness Gym(同じ建物内)
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療の指示ではありません。当院は医療機関ではなく、柔道整復・はり・きゅうの施術所です。施術の効果や必要な期間には個人差があり、特定の結果をお約束するものではありません。足首をひねったあと、体重をかけられない、変形している、しびれや強い腫れがある場合は、まず整形外科を受診してください。成長期のお子さまで骨の出っぱりを押して痛がる場合も、画像での確認をおすすめします。